天気の子が7月19日に公開されて、さっそく当日に見に行ってきました。
本当は昨日のうちに感想を描きたかったんですが、19日の最終上映で鑑賞をしたため終了したのは23時半でした。

では早速感想を書いていきますが、盛大にネタバレを含んだレビューのため、まだ観ていない人はブラウザバックした方がいいかもです。
視聴後に面白いと評価した人もつまらないと評価した人も、一度どちらにも読んでほしいです。

あと新海誠の過去作品「雲のむこう、約束の場所」を観ているのと観ていないのでは、結構印象が変わると思うので、観ていない人は是非観てほしいです。
理由は後述します。

ぼくは既に「雲のむこう、約束の場所」を観てしまっていたので、観ていなかった場合の評価はできませんが……。

ちなみに公開前に懸念されていた本田翼の声は、序盤の「きみのそーつぉーどーりだよ」以外は割と普通でした。

「天気の子」と「雲のむこう、約束の場所」の比較、感想と考察

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天気の子の感想、ネタバレレビュー

一言で言い表すなら「愛は世界平和より尊い」です。
合理的な大人で構成される社会に抗うシーンも多くあります。

今作品も相変わらず新海誠のきれいな映像は素晴らしく、「言の葉の庭」でも見せた雨の描写は息をのむ美しさでした。
ところどころジブリを意識したような描写や演出、BGMが以前よりも目立ちます。

劇中では子供視点で見た大人という構図があり、大人はどちらかという悪という位置づけで描かれています。
これ自体はジブリ作品でも割と見受けられますね。

冒頭、天野陽菜が入院している彼女の母親の病室から始まります。
家出少年の森嶋帆高が言う「ただの空模様にこんなにも気持ちを動かされてしまう」の通り、雨だと憂鬱な気分になったり、体調やストレスなどとの関連性もあります。

そのため少しでも早く良くなってほしいという陽菜の些細な願いが、結果的に彼女を天空の巫女にしてしまいました。

東京に来た帆高は働き口を探すのですが、東京の汚い部分が随所に描かれています。
「バーニラバニラ」でお馴染みのラッピングカーであったり、風俗店が犇めく繁華街やラブホテル、キャッチなどですね。

もちろん映像としてはきれいなだけに、その対比が非常に面白いです。

拳銃を拾うのも東京の繁華街のゴミ箱ですね。

最終的にそういった汚れた状態の東京を水に沈めたのは、清算でもあり、一時的に蓋をしただけなのかもしれません。

沈める選択をした帆高は打算や邪念とは無縁の子供らしい子供として描かれます。
帆高の雇い主になる須賀圭介という人物は、妥協して受け入れた帆高とも言えますね。
「大人になれ」と帆高を諭しますが、言うことを聞きません。

ここでいう「大人」とは社会にはルールがあり、守るべきものという意味で、「陽菜と一緒にいたい」と思う帆高の気持ちは通らないし諦めろということです。
また未成年で家出をしている帆高は児童福祉法上、保護者のもとにいないといけないのが社会のルールです。

須賀さんは奥さんを失っていて、子供と一緒に暮らせていません。
その理由などは謎のままですが、劇中では子供の親権は奥さんの母親にあり、親権者を自分にしてほしいと何度もその義母にかけあっています。

そんな背景もあり、問題を起こすのはまずいので、途中から帆高を実家に帰らそうとしたり、陽菜を救うため廃ビルへの向かう帆高を引き止めたりします。
これは大人としては正しいです。

でも主人公側の視点からすると敵なんですね。
最終的に帆高に加担して、警官をぶん殴るとんでもない罪を犯してしまいますが(笑)

彼には彼の正義があったんです。
過去の自分と同じ思いを帆高にさせたくなかったんでしょう。
それが突然涙が流れた理由とも関係があると思います。

子供って純粋で、自分の気持ちに忠実ですよね。
最初は陽菜と一緒にいたいという気持ちでしたが、彼女が消えたことでそれはより強く少し違った、正義や信念に近いものになったと思います。

ルールの上には純粋な自分の正義や信念があったって良いんです。
自分が間違っていないと思ったら、ルールなんて破っても良いんです。

この正義は「たった一人の女の子に責任を押し付けて、それで得られる平穏なんておかしい!」という道徳心や倫理観ですね。

そういうのを失くしていき、ルールが一番上になると、世間でいう大人になるんだと思います。

子供の陽菜と凪、帆高だけで仕事をしてお金を稼ぐというのも、大人にならなくても生活はできるという意味を含んでいる気がします。
陽菜と凪も2人で暮らしていました。

帆高は陽菜と一緒に過ごすようになって、どんどん彼女に惹かれていきます。
陽菜が東京の異常気象を祈りによって救った結果消えてしまった後、世界なんてどうでもいいと彼女を連れ戻すくらいに。

天気の子の評価

この作品だけを観ると東京は結局水に沈んでしまったしバッドエンドなのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかしここで「雲のむこう、約束の場所」を観た人と観ていない人は大きく感想がわかれると思います。

「雲のむこう、約束の場所」では結果的に主人公が世界を救いますが、ヒロインを失くしてしまいます。
失くしたといっても言葉の通りの意味ではありませんが、世界は救われたのに明らかにバッドエンドで後味が悪いのです。

ここにぼくは「秒速5センチメートル」の救いとしての「君の名は。」、「雲のむこう、約束の場所」の救いとしての「天気の子」を感じ、めちゃくちゃ昂りました。

ぼくは視聴中ずっとこの作品の意味を考えていました。
帆高が家出する理由はわからない。
東京の異常気象はあるものの、とくにピンチや危機感もない。

新海誠は一体なにがしたいんだろう、何を言いたいんだろうと考えていましたが、「世界を救うよりも、自分の気持ち(愛)に忠実な男の子は救われたって良い」であり、新海誠自身の子供心なのかなと思いました。
「君の名は。」より前の作品は、鬱っぽいというか変に大人びたような現実はそんなにうまくいかないという作風の新海誠でしたが、その変遷を知っているとメタ的ではあるもののこの作品に感動してしまいました。

そして帆高が陽菜を連れ戻す際の空からの落下シーンはこの作品一番の見どころと言っても過言ではありません(花火のシーンも同じくらいすごかったです)。

でも正直ストーリーとかだけで観るといまいちな評価なのかなとも思います。
そういったところが低評価になっているのではないでしょうか。

それにバイクの逃走シーンとか、もしあれで事故が起きていたら、被害者かわいそうだなと思ってしまうくらいにぼくはつまらない大人なんだと思います(笑)

天気の子の解説

いろいろ小ネタの多い「天気の子」で、そこも楽しめるポイントだと思います。
全部解説するのは至難の業なので、気付いた点や重要っぽいところだけ解説しておきます。

陽菜がしているチョーカーは、もともと母親がつけていたものです。
帆高が連れ戻した後に彼女のチョーカーは割れていました。

母親の死後、形見として陽菜がずっとつけていますが、これは母親が天空の巫女だったことを示唆しています。
外に行く前に雨が窓を叩くシーンがありますが、あれは母親がもう長くないので、天空の巫女を継承する必要があったんだと思います。

来る異常気象のためでしょうかね。

須賀圭介の「有限会社K&Aプランニング」とは圭介のKと亡くなった奥さん明日香のAから取られています。

凪の彼女(どっちが元カノか忘れた)の「かな」と「あやね」はそれぞれ声優の花澤香菜と佐倉綾音からキャラクター名が使われています。

前作のキャラクターが登場

前作の「君の名は。」の滝と三葉が登場していましたね。
最初似た人かなと思っていたんですが、声を聞いて確信しました。

2年後に帆高が東京に来て、冨美の家を訪ねた際には写真から滝と三葉が結婚しているのが確認できますね。

四葉は女子高生として登場していて可愛くなっていました!

あとてっしーとさやちんもわかりづらいですが登場しており、観覧車に2人で乗っているところが映っています。

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まとめ

以上「天気の子」の感想、ネタバレレビュー、評価、解説でした。
面白いと思った人もいるでしょうけど、同じくらいつまらないと思う人がいてもぼくは納得です。

新海誠は好きですが、正直「君の名は。」があそこまで人気になったのは謎なので、まぁこんなものでしょう。
でもぼくは普通に楽しめたのでよかったです。