(画像出典元:FNN*

9月5日に京急電鉄の踏切で電車とトラックが衝突する大きな事故がありました。
衝突の影響で電車が脱線し、運行が数日できない状況となりましたが、2019年9月7日午後1時13分頃から全線で運転が再開しています。

このような大きな事故でも3日目で運転再開できるのは素直に驚きました。

この事故では残念ながらトラックの運転手の本橋道雄さんが死亡、けが人は35人となっておりますが軽傷とのことです。

事故直後トラックは電車の下敷きになっており、電車の衝突事故がいかに凄まじいのかを物語っています。

この事故によりトラック運転手の本橋道雄さんが勤務していた運送会社に自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで家宅捜索が行われました。
運行記録などから事故の原因や要因を調査していますが、京急電鉄側に問題があったのではないかという情報が浮上しています。

スポンサーリンク

京急電鉄衝突事故の当時の状況

本橋道雄さんが運転していたトラックは線路沿いの狭い側道(幅3mほど)から踏切に進入しています。
トラックは13tトラックで、だいたい長さが12m、幅2.5mになります。

事故があった踏切はこちら。

このように右折した際に道幅が狭すぎて一度では曲がれず、何度も切り返しをしている間に電車が衝突してしまいました。
右折する前に左折を試みているますが、そちらも無理だったため右折しています。

当初報道での情報が曖昧だったこともありますが、トラック運転手が原因であり、悪だとする声が一定数ありました。

本当にトラックが無理に右折したのでしょうか。
監視カメラや事故調査の中で新たな情報がいくつか出てきています。

トラックは京急社員に誘導されていた

踏切に設置されていた監視カメラによると、本橋道雄さんが運転していたトラックは狭い側道から左右どちらにも曲がれずに約5分ほど立ち往生しているのが確認されています。
その後、なんとか踏切内にトラックの先頭部分が入った状態で約1分、車両全体が踏切内に入ってから20秒ほど経過して電車と衝突しています。

そしてさらに当時事故現付近にはたまたま京急電鉄の神奈川新町乗務区に勤務する44歳の運転士と24歳の車掌がいました。
2人は本橋道雄さんに後方確認を頼まれて左折の誘導をします。

しかし一度左折しようとしたものの困難だったために、左折をあきらめて右折に変更します。

右折に変更した後も京急電鉄の2人が誘導していたと報道されています。
トラックが進入したまま遮断機が下りたため、気付いた運転士の男性が非常ボタンを押しています。

京急電鉄衝突脱線事故の原因は電車の運転士?

事故直後は踏切を目視で確認してから電車が止まるのは難しいと言われていました。
しかし事故現場の踏切の手前には「障害物検知装置」が3か所あり、最も手前の信号で踏切の600m前から目視で確認できます。

電車は時速120kmで走行しており、600m手前からブレーキをかければ停止できる距離です。
(だいたい500mくらいで停止できるはず)
障害物検知装置はきちんと作動しています。

一部報道では電車の運転士が踏切の状況を目視で確認してから、踏切に到達するまでの時間は約8秒としていました。
それと同時に8秒では停止することは困難と解説がありましたが、調査していくと状況が違ったようです。

踏切ではなくもっと手前の信号では赤になっていたとされています。。
「信号は相当インパクトがある。見落としは考えづらい」と京急の担当者は話しており、電車の運転士もこの信号に気付きブレーキをかけたと説明しています。

またそれ以外にも踏切の異常を検知する装置の特殊信号発光器が光っており、事故40秒前から確認されています。
事故のあった踏切からの距離にして約1.3km離れています。

さらに踏切の監視カメラで京急司令室もトラックが立ち往生しているのを確認しているとされています。
事実、電車の乗客の「警笛を鳴らしているにもかかわらず、ブレーキはぎりぎりまでかけていなかった」との証言もあるように、運転士が赤信号でブレーキをかけたのには懐疑的です。

現時点でぼくから確定したことが言えるわけではありませんが、出てきた情報をまとめると電車の運転士が赤信号でブレーキをかけなかったのではないか?と思えてきます。
自動ブレーキを導入していなかったことも原因と言えますし、トラックが立ち往生したことも原因と言えるかもしれません。

ただ20分も前に京急社員が事故現場にいたにもかかわらず、衝突脱線事故が起きてしまい、トラック運転手の本橋道雄さんが亡くなってしまったのは京急電鉄側の責任だったと言わざるを得ません。

当初京急電鉄の説明ではたまたま通りかかった従業員が慌てて非常ボタンを押したとしていましたが、後になって従業員が2人もいて誘導をしていた事実が出てきています。

仮に電車の走行速度や周囲の障害物などにより、赤信号や特殊信号発光器などが電車の運転士から確認できなかった場合であったとしても責任は誰にあるのか明白ですよね。

京急電鉄衝突脱線事故の原因

今回の事故原因は1つではなく、いくつかの要因が重なったと言えます。
もともとこの道路は車高の高いトラックが迷い込んでしまう事例が数多くありました。

大型進入禁止の標識があればトラックが迷い込むこともなかったでしょう。

つまりそれを放置した行政の責任も大いにあります。
しかし一番責任が大きいのは京急電鉄ではないでしょうか。

  • 京急電鉄の社員によるトラックの誘導
  • 自動停止装置のない電車
  • 監視カメラで状況を把握していた京急管制室
  • 赤信号でのブレーキが遅れた(可能性のある)電車の運転士

スポンサーリンク

まとめ

今も事故の調査が行われている段階では原因は何とも言えませんが、きちんと原因が解明されてほしいですね。
責任が誰にあったのかも今後あきらかにされるでしょう。

幸い大惨事にならなかった京急電鉄衝突脱線事故ですが、もっと大事故になっていた可能性もあります。
電車の車体重量は軽量化していることが多いのですが、京急電鉄の車両は先頭(先頭と後方の両端)を重くしています。

このことにより脱線しにくい構造になっているので、それがなかったら福知山脱線事故のようになっていたかもしれません。
あの事故でも時速120kmほどのスピードが出ていたとされています。

(事故直後の車内)

被害者の可能性もあるトラック運転手の本橋道雄さんが亡くなったのは非常に残念ですが、電車の乗客に死者や重傷者がいなくて本当に良かったです。
やはり電車の先頭車両に乗るのは怖いですね。

あと思考停止して京急電鉄を擁護している人がTwitter上にいるのもなんかな……。
京急電鉄を愛している鉄オタは素晴らしいと思いますが、それと事故原因は分けて考えてもらいたいものです。

事故後から急に湧いて出た「#ありがとう京急」のハッシュタグも本当に気持ち悪いですね。
責任の所在が明確になっておらず、死亡者やけが人が発生した事故で誰に感謝しているの?

今回京急電鉄側、トラック側のどちらの過失責任になるのかはわかりませんが、トラックが踏切に閉じ込められた際に、電車が停止できない設定というが問題です。
たまたまトラックの運転手の本橋道雄さんだけがなくなり、乗客は軽傷で済んだだけですが、運が悪ければ乗客が多数死ぬ大惨事になっていた可能性もあるわけです。

なぜ電車は停止できなかったのか?と疑問に持つことはとても大事なことだと思います。
「線路上に障害物があっても止まりませんよ!ぶつかっていきます」なんて電車には怖くて乗りたくないものです。
ましてや今回は現場近くに京急電鉄の社員がいて、速やかに非常ボタンを押している上での話なんですから。

ぼく個人の見解ではトラック運転手には電車の停止および遅延の責任はあったと思います。
ただ事故自体は問題発生していたのに停止しなかった電車の運転士の責任あるいは、運転士が電車を停止させたかったができない仕様だった京急電鉄の責任と考えています。